印刷用紙の選択

 印刷物の品質は、印刷方式や用紙などの条件により、大きく左右されます。

 発色については、紙質の影響を受けます。印刷面に光沢をもたせるときは、塗工紙であるアート系やコート系の用紙を使用します。アート系やコート系の用紙は、カラー印刷物の場合、濃度が高くなり、彩度が高く感じられます。表面が粗く、乱反射を起こす用紙は、濃度が低くなる可能性が高くなります。また印刷物の発色には、紙の白色度が大きな影響を与えるのです。

上質紙

 上質紙は55~90kg程度の四六判が本文用紙として使用されます。紙質として淡いクリーム色の上質紙は、「裏ヌケ」が目立たないので好まれる傾向があります。

 色上質紙は、「扉」や「見返し」に使用されることが多く、名称が同一であっても製造元によって色合いが異なるので注意しましょう。色上質紙を分類する厚さの種類は、「特薄」や「特厚」といった名称で呼ばれ、連量表示とは異なります。

ファンシーペーパー

 装飾性のある「ファンシーペーパー」は、表紙用として使用されることがあります。四六判のみが提供されていることが多く、連量も限定されています。

印刷用紙と光源

 光源は種類により、含まれる波長とエネルギーが異なります。用紙上の色材の色の見え方に影響を与えることがあるのです。印刷の色評価を行うためには標準光源の下で観察することが求められます。用紙上の色材の色は、用紙自体の色、平滑性、吸油度、蛍光物質などの塗工材特性の影響を受けるので注意が必要です。